1匹のいもむしが、りんごの木に住んでいました。
ある嵐の晩、いもむしはりんごの実ごと吹き飛ばされ、川に落っこちてしまいました。
「ぼくはきっと、このまま海に流されて魚か鳥に食べられるか、干からびて死んでしまうんだろうな。」
そう思うととても悲しい気持ちになりました。
「でも今できることをしよう。今日だけとりあえず生きてみよう。」
そう決めると彼は、自分の乗っかっているりんごの実を少しずつかじり始めました。
りんごの船が転覆しないようにバランスをとりながら、ゆっくりと。
やがてりんごの実は皮一枚残すだけとなりました。
あとひとかじりしたらきっと穴があいて、りんごの船は沈んでしまうでしょう。
いもむしは思いました。
「もう、ぼくのできることはないな。もうやれることはやったよ。」
そうつぶやくとじっとして動かなくなりました。
数日が過ぎて、そのりんごの船から一匹の美しい蝶が飛び立ちました。
(グリム童話より)
そうか…イモムシは蝶に食べられてしまったか…かわいそうに
州*‘ o‘リ のコメントは面白いね
蝶に食べられたいね