CCD-V5000復活

2台のSONY CCD-V5000はほぼ完全に復活した。


SONY CCD-V5000 2台

結局1台では直らず2台目を落札して、それを部品取りに使う予定だったが、これがDC-DCコンバータ不良のみで復活できることが分かり、結局3台目を完全部品取り用に落札して、3個2することになった。

3台目は完全なジャンクで、外装も破損しており、どうがんばっても直すことはできない。

このCCD-V5000、コンデンサが3台とも液漏れしまくりで、まともに動作しない状態になっていた。

特に表面実装コンデンサはひどく、全てがダメになっていた。

また、DC-DCコンバータも全てダメになっており、特殊容量のコンデンサをアメリカから輸入することにより、何とか復活したのであった。

しかし、そのうち一つはICかトランジスタがダメになっているらしく、復活させることはできなかった。が、まぁ別に3台復活させるわけではないのでどうでもいい。

結局、

・DC-DCコンバータが故障
・レンズが1つガタが来ていてオートフォーカスがガタガタにしか動かずダメ
・カメラ基板が1枚完全故障で、交換しか手がない
・CCDが1つ故障。DC-DCコンバータ故障で異常電圧印加による故障と思われる

など、いろいろな部品がダメになっており、ソニーに部品がないため、確実に1台は部品取りが必要だったた。

コンデンサ液漏れによる交換だけでは全然直らず、液漏れにより基板パターンが腐食していたため、スルーホールが何箇所も断線しており、それによりかなりてこずった。

さらに、液漏れした液が、結構離れているところのICと基板の間に入り込んでおり、それにより微妙にICの端子間に電流が流れることによる不具合まであったりした。

これは気づくまでに2日くらいかかった。

なんにせよ、何とか2台とも復活したのであった。

この当時の表面実装コンデンサは、使わずに放置しておいてもみんな液漏れしてしまうため、おそらくこの機種はほぼ全部こういう状態になっていることだろう。

そのため、もしも新品未開封品があったとしても、同様に壊れている可能性は高いと思われる。

ソニーには既にDC-DCコンバータをはじめ、ほとんど部品がなくなっているため、修理に出してもほとんどの場合、修理不能で返ってくることと思う。

そんなわけで、多分完動品のCCD-V5000は世の中にもほとんど無いと思われるくらい貴重なものではないだろうか。

このカメラは、1989年頃に発売された当時の最高級民生用Hi8ビデオカメラであり、定価は33万円くらい。

オーディオに通常のHi-Fiトラックの他、PCMトラックにも対応している。

さらに、デジタル処理基板があり、それによりデジタルTBCを搭載しているため、DVのようなジッターレスの安定した画像を再生することができる。

また、デジタルNRも搭載されており、これは録画時にはカメラ映像にかけることもできるし、再生時にはビデオ映像にかけることもできるようになっている。


側面1


側面2

見た目はほとんど業務用ビデオカメラである。


操作部1

露出、ホワイトバランス、電子シャッター、オートフォーカス、最大ゲインなどを設定できるようになっている。

オーディオ部では、レベルメータの他、マニュアル&オートの切り替えなどができるようになっている。

右下はデジタル処理部用で、ストロボ効果、ソラリゼーション、デジタルNRなどを3段階で設定できるようになっている。


操作部2

さらに、デジタル部では、マルチ画面やストップモーション、フラッシュモーションなどもできるようになっている。

その他、INT RECというのはInterval Recordingのことで、自動的にインターバル録画をするものである。

これを使って花の開くところとか、虫の孵化などを撮影することもできる。


操作部3

ここはタイトル系のスーパーインポーズの他、今では自動のデジタルズームがマニュアル操作でやるようになっていたり、P in S (Picture in Still)、オーバーラップ等の他、今のマニア向け機種にもないような、デジタル・スチル・ピクチャー・スーパーインポーズなどの複雑な機能もできるようになっている。


操作部4

デッキ操作はこの部分に集められている。

通常のデッキと基本的に同じだが、CAMERA時に+VTR設定できるようになっていたり、PCMのAudio Dubbingできるところが面白い。

このカメラで撮影した画像はこんな感じである。


モニ巣から見た風景1


モニ巣から見た風景2

当時のTR竏窒T5の画質などを考えるとすばらしい画質だ。また、実際いろいろ使ってみるとダイナミックレンジが結構広く、さすが大型CCDという感じを受ける。

このような、晴れていてコントラストの強い画像の場合、安物ビデオカメラだと空は真っ白に飛び、手前の黒っぽいビルは真っ黒になったりするが、そんなことはなくちゃんとしているところがダイナミックレンジの広さをあらわしている。

レンズやCCDが大型なので、夜の部屋の中では感度がよく、明るく撮れるため、そういった点でもなかなか良い。


テレビ番組を録画した画像

テレビ番組を録画してみたのが↑である。

かなりきれいな画質に録画できている。ちなみにTBCとNR 1をかけてある。

Hi8の画質はS-VHSくらいの感じだ。普通のVHSなどよりはずっと解像度が高く、かなりはっきりした映像だが、ED Betaほどではない。

また、アニメだと色が一定なのでノイズが分かりやすい。アナログビデオは赤系統の色に弱いので、赤(ピンク)色っぽい部分を見てもらうと分かるとおり、きれいに一定の赤色でなく多少ムラが見えるが、S-VHSもこのくらいの感じだ。

これは1コマを止めているので色ムラが見えるが、動画になるとほとんど分からないくらいになる。

ED Betaだとこういう部分も静止画でもビシッと一定の赤色に出て、解像度も十分高い。あれはアナログビデオとしては別格と言えるだろう。

これはHi8でもMPテープ(メタル塗布テープ)を使っているので、ME(メタル蒸着テープ)を使うともっときれいに出るかもしれない。

まぁしかし、アナログビデオの画質としては十分きれいではある。

しかし、一応2台直してみたものの、これをビデオカメラとして使うかどうかはかなり微妙だ。

本格的な3CCDのDVタイプのビデオカメラも持っているので画質にこだわるときはそっちになるので、まぁ何かで面白がって使うくらいだろうか。

それよりも、ビデオ側はPCMの再生もできるため、昔の8mmビデオで録画したPCMトラックの再生ができるところがなかなか良い。

どちらかというと、古いテープのDVD化に役立ちそうである。

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3 Responses to “CCD-V5000復活”

  1. 林 智雄 より:

    はじめまして
    V5000で撮影した子供の成長記録のテープを見たくてオークションで落札しました。
    望みをたくしてテープをいれてみたら
    なんと取出し不能になってしまいました。
    もしよろしければアドバイスしていただけないでしょうか

  2. moni より:

    この当時の機器には、悪名高き四級塩電解液を使ったコンデンサが大量に使われており、それらが全て液漏れしてしまい、確実に壊れています。

    ソニーでも数年前からこの機種は修理不能扱いになっていますので、本体を壊すつもりで、バラバラにしてテープを取り出すしかないと思います。

    外側は矢印の付いているネジを全部外せば取り外せます。
    そして、テープのメカ部分も、可能な限りバラして取り外すしかないと思います。

    どうしてもテープを切らなければ取り外せないときは、仕方が無いので一度テープを切って、取り外してから、セロハンテープで一時的に繋ぎあわせ、別のHi8デッキ等を手に入れて、早々にデジタル化した方が良いと思います。

  3. Hi8大好き より:

    お気持ちお察しします。
    私も先日V5000から音声が出なくなり、メーカー修理に出したところ
    修理不能で返ってきました。
    日々、定期的に通電だけはしていたのに、とても悔やまれます。

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