Intel DZ68DBマザーでプチオーバークロック

Intel DZ68DBマザーボードは、CPUコア電源も3フェーズしかないし、BIOSもあまり細かく設定できないので、そもそもオーバークロック向きではないが、Turbo Boostの範囲内程度で、安定動作させながらx264エンコードを多少なりとも速くしたい、ということで、いろいろと試してみた。

PCの構成は以下の通りである。

■CPU:Core i7 2600k
■CPUクーラー:ZALMAN CNPS9500AT
■熱伝導媒体:Arctic Silver 5
■マザーボード:Intel DZ68DB
■メモリ:PATRIOT DDR3 1600 4GB x 2 (8GB)
■ケース:Antec Solo White
■前面FAN:9 cm 1000 rpm + 9 cm 1200 rpm
■背面FAN:Gentle Typhoon 12cm 600 rpm
■電源:ENERMAX PRO 82+ 425W

Sandy Bridgeでは、BCLKは100MHzに基本的に固定したままでオーバークロックを行う。
CPUの基本動作倍率は2600kの場合34倍以上にはBIOSで設定できないため、常に3.4GHzまでということになる。

そこで、Turbo Boost時の倍率を変更することにより、オーバークロックを行うのである。

DZ68DBの場合、デフォルトでは動作コアの数に応じて、1コア時3.8GHz、2コア時3.7GHz、3コア時3.6GHz、4コア時3.5GHzにTurbo BoostされるようにBIOSで設定されている。

これを変更するわけだが、Turbo BoostはCPUの温度等が余裕があるときに、TDPを超えた動作を許すことにより、一時的にその高いクロックを実現するというものである。

・・・で、実際にデフォルトのまま4コアをフルに使うx264でエンコードをさせてみると、クロックは3.5GHzで大体保たれており、CPU温度は66度辺りで安定しているものの、大体20分くらいでTurbo Boostが解除されて3.4GHzにクロックが落ちてしまう。

試しに4コア時のTurbo Boost設定値を3.6GHz、3.7GHz、3.8GHzと設定を変えていくと、どんどんTurbo Boostの時間は短くなり、3.8GHzでは1分程度で標準クロックの3.4GHzに落ちてしまう。

最初はBIOSにある電流の限界値の設定等を変えれば良いかと思っていたが、多少変更してみても、やはりすぐに3.4GHzの定格動作に戻ってしまう。

「IntelのDZ68DBマザーではオーバークロックはTurbo Boost許容範囲内でさえ無理なのか・・・」と諦めていたのだ。

ところで、BIOSデフォルトではCPUクーラーが、CPUが80度を超えないようにFAN回転数を制御するように設定されていたため、66度程度ではCPUクーラーのFAN回転数が最低回転数1400 rpm程度のままになっていた。
これは静かでいいけど、ちょっとCPU温度が高くなりすぎるなと思い、64度あたりで最高回転数になるように設定してみた。

・・・すると!?

なんと!エンコードして何時まで経っても3.5GHzからクロックが落ちないではないか!
もしやと思い、試しに3.8GHzまで上げてみるが、1時間以上エンコードをしていても、3.8GHzのままクロックが落ちない!

原因はCPUの温度か!
AIDA64読みでは、せいぜい68度程度までしか行かなかったため、あまり関係ないと思っていたが、多分瞬間的に75度とか80度とかになっていて、それでTurbo Boostが解除されてたんじゃないかと推測している。

というわけで、色々と設定を探ってみたところ、CPU FANは64度でフル回転するようにして、1コア時3.8GHz、2,3,4コア時3.7GHzに設定してエンコードをしている。

Turbo Boost許容範囲内なので当然ではあるが、OCCT1時間もクリアした。

室内温度はエアコン読みで26度、CPUクーラーのファンが最大回転数を保ったままでもピークでは67度あたりまでいくので、安全に動かすには、このCPUクーラーではこの辺が限界ではないかと判断した。

x264エンコード中もずっと3.7GHzを保ったまま、クロックが落ちなくなった。

3.7GHz動作時にはCPUクーラーFAN最高回転でも66度辺りまで上昇している。
ZALMAN CNPS9500ATの性能とやらはこの程度か。

そして、マザーボード名がASRock DZ68DBとなってるんだけど、もしかしてIntel純正マザーはASRock製?

37倍で1.256Vはちょっと高いように思うが、DZ68DBでは下げることができない。

ASUSマザー等の自動設定を見ると、Core i7 2600Kなら、この程度の周波数ならもっと低い電圧で動作するようだが、DZ68DBでは電圧はNormalかDynamicではこれ以上電圧を下げることが出来ず、Staticで電圧を指定すると、アイドル時にも電圧が下がらないため、それはやりたくないとすると、電圧を下げることが事実上できない。

まぁIntelとしては、この周波数の安定動作にはこの電圧が必要ということなのだろう。

というわけで、このマザーボードでのオーバークロックでは、ZALMAN CNPS9500ATをフル回転させても、4コア動作時にTurbo Boost範囲内程度が限界のようだ。

もうちょっと冷却性能の高いCPUクーラーにすれば、もう少し安全な温度範囲でオーバークロックができるかもしれない。

・・・そんなわけで、今エンコード中はCPUクーラーFANが最高回転数でうなっているので、もう少し冷却性能の高いCPUクーラーに交換するかと考えている。

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