hp 53310A Modulation Domain Analyzerを買った

hp 53310A Modulation Domain Analyzerというものをヤフオクでまた安く買った。

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hp 53310A Modulation Domain Analyzer

これは何なのかというと、周波数がどう時間変化するかとか、パルスの間隔が時間軸でどう変化するかを測定するという、非常にマイナーな測定器なのである。

一見オシロスコープのように見えるかもしれないけど、表示されてるものは横軸は時間だが、縦軸はパルスの時間間隔なのである。

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パルスのジッタを測定

上の写真は、つちのこ最新のALICEというロボットサーボ駆動出力のパルスのジッタを測定したところである。

2ms幅のパルスを連続で出力しているのだが、実際には微妙にその間隔がズレる。この時間軸でのズレをジッタという。
ALICE では高精度なEPSONの発振器を使って12MHzを発振させていて、それをクロックとしてロジック回路で正確な2ms幅のパルスを生成している。
だが、このModulation Domain Analyzerで測定してみると、ジッタが存在していることが分かる。

横軸は時間で、左から右までの間が2秒間、 縦軸はパルス幅の時間間隔で、ぎざぎざになっていればいるほど2msから毎回時間がズレていることを示している。この例ではズレの中心は1.999659766msであり、ズレのピークは7.250nsのようだ。

さらにこれをヒストグラム表示してみると、以下のようになる。

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22000個のパルスのジッタを測定してみたときのヒストグラム表示

ん~、Pk-Pkで12.223nsと僅かではあるが、ジッタが正規分布っぽい形で分布している。ということはつまり、このジッタの原因は多分EPSONの発振器の精度の問題じゃないかと思われる。

とまぁ、こんな具合にこの装置は使うのである。

この場合のジッタは実際問題として極僅かなので全く問題ではない。
ピークでも約12ns/2msのズレ、つまりPk-Pkでも12/2000000*100=0.0006%=±0.0003%しかズレがないという、非常に精度が高いパルスを生成できていることが分かったとも言える。
ジッタの測定はなかなかできる装置がないので、これは結構面白い測定器である。
このほかに、周波数自体の揺るぎを測定することもできる。

この手の装置を持っている人(研究機関も含めて)はそうはいないと思うので、なかなか面白い活躍をしてくれそうである。

P.S.
この装置は案外ヤフオクで出てきてるみたいだが、入力スレッショルドが狂っているものが多いみたいなので要注意だ。
簡単な見分け方としては、何もつないでいないのに、入力端子横の緑LEDが点灯しているモノはダメ。これは消えているのが正常である。入力がないのにプラス電圧が入力されていると判定されてしまっているということであり、正常な測定ができない。
この装置は電圧判定ポイントが命なので、これが狂っていると測定結果自体が無意味なものとなってしまい使い物にならない。

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One Response to “hp 53310A Modulation Domain Analyzerを買った”

  1. katumi oota より:

    興味を持って 読まさせていただきました

    僕はにわかアマチュア無線で 測定器に興味を持ち

    この測定器の使い方? 結果についての写真の表示に

    興味を持ちました

    今回はジッタですが 操作方法等をもっともっと伝えていただけたら

    うれしいです

    時間を楽しみにしています

    ありがとうございます

    横浜  太田

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